出来高とは?出来形との違いと、作業の進み具合を金額で測る方法
出来高とは?――工事の「どこまで済んだか」を金額で表す
出来高(できだか)とは、工事のうち施工が済んだ部分を、金額または数量で表したものです。「今月の出来高は 300 万円」「出来高 40%」のように使い、工事がどこまで進んだかを測る物差しになります。
似た言葉に**出来形(できがた)**があります。出来形は施工が済んだ部分の形や寸法そのものを指し、出来高はそれを金額や数量に置き換えたもの、という使い分けが一般的です。出来形を測って確かめ、その数量に単価を掛けて出来高を出す、という順番になります。
出来高が使われる場面
出来高は、立場によって 2 つの使われ方をします。
- 進捗の管理 … 社内で「作業がどこまで進んだか」を測る。原価の使い具合と並べて、予算超過の兆しを見る
- 支払・請求の根拠 … 発注者へ工事代金の一部を請求するとき(出来高払い・部分払い)や、協力会社へ進み具合に応じて支払うときの根拠にする
協力会社から申請された出来高を、元請が現場の進み具合と照らして確認し、支払う金額を決めることを出来高査定と呼びます(支払額を決める処理全体は支払査定とはで説明しています)。
原価の進み具合とは別に見る
「原価を予算の何割使ったか」と「作業が何割進んだか」は、同じ数字になるとは限りません。材料を先に買い込んだ月は原価だけが先に進み、手戻りがあった月は作業が進まないまま原価が積み上がります。出来高を測っておくと、この 2 つを並べて比べられます。 原価だけを見ていると、予算が足りなくなることに気づくのが遅れます。
Sitrom-CCでの出来高の扱い
■出来高予算で「物差し」を作る
Sitrom-CCでは、工事ごとに出来高予算を、種別・細別・内訳の 3 階層で登録します。いちばん下の内訳に数量・単位・単価を入れると金額が自動で計算され、上の階層と全体の合計も集計されます。自由に入力するほか、工法を選んであらかじめ決められた形の出来高予算を追加することもできます。
■日報と査定で、累計を積み上げる
作業日報では、その日の出来高の進捗数量を入力します。日計と累計、予算に対する累計の進捗率は自動で計算されます。
あわせて出来高査定の画面では、査定日(月末など、出来高を確かめるタイミング)ごとに、その時点までの累計数量を入力します。画面には「予算」「前回までの累計」「今回の累計」「今回分(差分)」が並び、累計金額と査定率(累計金額 ÷ 出来高予算の金額)が出ます。過去の査定日を選べば、当時の内容を見返せます。
■工事台帳で、請求・原価と並べる
工事台帳には、受注金額・請求金額・実行予算・原価合計と並んで、**作業出来高の予算と実績(率)**が表示されます。「請求はどこまで進んだか」「原価はどこまで使ったか」「作業はどこまで進んだか」を 1 つの画面で比べられます。実行予算の画面でも、明細の行ごとに出来高の数量と進捗率が予算の横に並びます(実行予算とは)。
■協力会社の出来高も、発注にひもづけて測る
外注の発注を登録すると、発注伝票の明細を引き継いだ出来高予算が作られます。査定日ごとに数量を入れて、その時点の出来高の金額を確定します。協力会社に進み具合に応じて支払うときは、この査定が支払額を決める根拠になります。
会社ごとに違う出来高の測り方と、Sitrom-CCのカスタマイズ
出来高を何の単位で・いつ・誰が測り、その数字を何に使うかは、工事の種類や会社の仕組みによってさまざまです。数量を細かく積む会社もあれば、工事ごとの進捗率で済ませる会社もあります。Sitrom-CCで実際に作り込んできた例を、架空の会社に置き換えてご紹介します。
■A社(専門工事。協力会社への支払を出来高で決める)――請求のたびに注文ごとの出来高を見る
協力会社から請求が届くたびに、注文ごとに「前月までの出来高」「当月の出来高」「累計の出来高」を確かめてから仕入を立てる会社です。A社向けには、仕入の入力画面に注文ごとの出来高の欄を並べ、その注文のどこまでが済み、いくら残っているかを、請求を受けるその画面で確かめられるようにしました。
■B社(プラントの工事を工程表で細かく管理する)――工程ごとの進み具合を人工で測る
工事を細かな工程(WBS)に分けて管理し、進み具合を作業員の人工(にんく)で測る会社です。B社向けには、日報に入った作業時間を「8 時間で 1 人工」として工程ごとに積み上げ、工程ごとの計画と実績、遅れている工程を一覧で見られるようにしました。仮の工事番号で着手した工事を後から本工事にまとめても、仮の工事ごとの実績をそのまま追えます。
■C社(月ごとの進捗率で、発注者や社内へ報告する)――進捗率から完成状況の一覧を作る
数量を細かく積むより、工事ごとに「今月で何%済んだか」を決めて報告する会社です。C社向けには、工事ごとに月の進捗率を入力して履歴を残し、「請負金額 × 進捗率」で出来高を出した工事完成状況の一覧を、提出用の帳票として出力できるようにしました。
■D社(出来高を、そのまま月次の決算に使う)――出来高の累計を売上の計上につなぐ
毎月の出来高の累計を、そのまま進行基準の売上として計上する会社です。D社向けには、部門ごとの査定の申請と、労務費・外注工賃の伝票づくりが済むまでは、工事ごとの出来高の累計を月末の仕訳に計上できないようにし、原価が固まる前の数字が会計へ流れないようにしました(計上のしかたは工事進行基準とはでご説明しています)。
業務の進め方は会社ごとに違うので、Sitrom-CCは標準の機能をそのまま押し付けず、貴社のやり方に合わせて画面・帳票・計算を作り込みます。出来高をどの単位で測り、何に使っているかを、お問い合わせよりお聞かせください。
関連する用語
- 実行予算とは … 出来高と並べて見る原価の計画値
- 支払査定とは … 出来高・仕入をもとに協力会社への支払額を決める処理
- 工事進行基準とは … 工事の進み具合に応じて売上を計上する会計処理
- 出面とは … 現場に出た作業員の記録
出来高をどの単位で測るか、いまの出来高調書をどう置き換えるかのご相談は、お問い合わせより承ります。